会長あいさつ
「平成22年度のスタートにあたって」
日本医療機器産業連合会
会 長 荻 野 和 郎
平成22年度を迎えるにあたり、日本医療機器産業連合会に対する皆様方の日頃の温かいご指導とご支援に厚く御礼を申し上げます。
さて、昨年度は長らく続いた自民党政権に変わり、民主党政権を中心とする新政権が誕生し、様々な面で期待と不安が渦巻いた年度になりました。医療の分野では、「医療崩壊」が叫ばれる中、診療報酬が10年ぶりにプラス改定され、本年度以降、医療体制にどのような変化をもたらすかに注目が集まっています。
経済面では、若干の明るさが見えるとは言われるものの、100年に1度と言われる世界的な大不況から抜け出す道程は遠く、むしろ、デフレ傾向の下、国際競争が激化し、企業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しているとさえ感じるところであります。
日本の医療機器産業は、安全性に対する厳しい制約の下、長年にわたる総医療費抑制や経済不況等の影響を受け、このところ全体的に低迷ぎみで、特に先端的治療機器の分野では、海外勢の後塵を拝する状況にあります。このままでは、国民の方々への医療機器の安定的供給の面でも、又、医療の高度化や質の向上、さらには効率化、省力化、引いては、我が国の経済の発展の面でも問題であり、産官学一体となってその抜本的改善に取り組むことが求められています。
このような状況を踏まえ、当連合会は平成22年度に於いて、次の点を重点課題として鋭意取り組む所存であります。
- 「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」のフォローアップ
- 1)医療機器の安定供給に係わる考察と国内産業発展の方策の検討
- 2)医療機器の成長戦略と経済効果の検討
- 3)医機連活動情報の共有と戦略性の強化
- 4)医機連活動の将来ビジョンの検討
- 5)今後の医機連活動のあり方(委員会活動のあり方を含む)と中長期的視点での財政計画の検討
- 医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)の第4期活動のテーマである「革新的医療技術の実用化と産業基盤整備による成長戦略の推進」の取り組み強化
- 「新医療機器・医療技術産業ビジョン」のフォローアップ
- 「審査迅速化アクションプログラム」の確実な実行と市販後安全への取り組み強化
- コンプライアンス及びプロモーションコードの更なる徹底
- 医療のIT 化に向けた医療機器等のコード化への普及活動の推進
- 平成22年度診療報酬改定のフォローアップと次期改定に向けての検討
- 国内外に於けるグローバル化への取り組み強化
(GHTF・GMTN・その他国際関係組織との連携) - 「医療機器市民フォーラム」等、広報活動の強化
- 医療機器の流通適正化及び安定供給体制の検討
なお、今年度末、平成23年3月には、治験関連規制日米整合化委員会であるHBD (Harmonization By Doing)委員会が産官学一体となって日本で開催される予定であり、当連合会としても全面的に協力する予定であります。又、「医療機器市民フォーラム」については、今年度は東京以外での開催も検討したいと考えています。
社会環境、経済環境が大きく変貌する時代であり、当連合会も時代の変化に応じて新たなチャレンジを重ねたいと考えています。
平成22年度へ向けた予算編成の過程に於ける「事業仕分け」などを通じて、日本の医療・介護のあり方に関する議論が種々あったところでありますが、医療崩壊などと言われる今日の状況が、将来へ向けて真に改善され、国民が安心できる体制、サービスが構築され提供されることになるのかどうか、今ひとつ先が見えない状況にあるように思います。医療・介護という分野は、一旦崩壊すればその回復に多大な時間と労力を要し、国民の生命や日々の生活に大きな影響を与えるものであるだけに、単にコスト削減ということではなく常に長期的視点に立って、明確な理念、具体的政策を掲げて、継続的かつ着実にその維持・改善・革新を図るべきと考えます。その意味で、この6月にとりまとめられる「新成長戦略」の中に設定される具体的ライフ・イノベーション戦略により、国民が安心できる医療・介護体制が早急に構築され、医療機器産業の発展と日本経済の発展、医療・介護サービスの向上がうまく噛み合って、国民の方々へその恩恵が大きくフィードバックされるよう念願しています。
今日ほど医療機器産業界が注目されている時代は過去になかったように思います。社会からの要望に応え、国民の方々はもとより、世界中の人々の健康の維持・向上の為、医機連として力を合わせ取り組んでゆきます。皆様のご支援・ご鞭撻の程、宜しく御願い致します。