新年のご挨拶
  ~明けましておめでとうございます~

一般社団法人日本医療機器産業連合会
会長 松本  謙一

 

  1. <「Society 4.5」の社会>
     一昨年、医機連会長就任時のパーティーの席上、私がこれからは世の中が素晴しいスピードで進歩していく中で、AIの倫理問題とか開発・運用ルールなど1つをとっても、所詮最後は人間が責任をとらなければなりません。そうした意味で「IoT、ロボット、5G」等と言われますが、何れも人間とのバランスを含め「イノベーションとリバース・イノベーション」にせよ、今後は「バランス」の時代と思います。「Society 5.0」にしても、1.0(狩猟)、2.0(農耕)、3.0(工業)、4.0(情報化社会)ときて、次の5.0は「新たな社会」を指すもので、融合させたシステムにより、経済発展と社会的・家庭的問題の解決を両立する社会であると位置づけられており、いよいよ大変な世の中に直面することになったものだと考えております―と述べたところ、その後で登壇された江崎経産省統括調整官(当時)が「全くその通りで、まずはSociety 4.5を考えたら如何」の旨のことを述べられました。我が意を得たりでありました。当時、内閣府によると「40~60歳の中高年の引きこもりが昨今は61.3万人」とか。又、「安楽死を遂げるまで(宮下洋一)」が何故、講談社ノンフィクション賞を受賞するほどに売れるのか、これぞオランダに端を発し今や日本の各分野で取り上げられ始めた「ポジティヴ・ヘルス」につながる社会問題ではないでしょうか。

    <コロナ禍での「経済再生」と「感染防止」>
    一年前迄は「COVID-19」などという言葉の意味すら定かではなかった世界中の国々、否、人々がこれ迄に「経済再生と感染防止」の両立に苛(さいな)まれるとは誰一人、想像もしてなかったことでしょう。しかし、ここから先は何が引き金になって、第2第3のパンデミックが起こるか想像もつきません。やはり「Society 5.0」にいきなり突き進むのではなく、自制心を働かせながら着実に進んでいきたいものです。

    <官民対話に於ける医機連visionの開陳>
     恒例的に行われてきた「官民対話」は、時の所管大臣や関係省庁の幹部の方々を前に、日・米・欧の医薬品・医療機器業界団体代表が夫々の立場での意見・要望を申し述べる場です。今回の医機連としては「革新的医療機器の創出に向けて」をグランド・タイトルに意見陳述をしました。詳述は避けますが、①イノベーションの加速に向けた環境の整備②医療機器の国内供給体制の整備③DX:デジタルトランスフォーメーションによる医療データの利活用推進④国際展開への対応―の4項目に大別しました。①については当然としても②については、今回のコロナ禍でも如実に現れたように、平時では需給関係が逆で当該製品が供給過剰になってしまうのに、非常時には極端な品薄になってしまう。いい例が人口呼吸器やエクモでしょう。従って私は10年前の新型インフルエンザ時の折から「特定医療機材の備蓄センター」の官民による設置を唱えてきたのです。③の医療データの利活用については、現行の臨床研究法や個人情報保護法等の法整備に加えて医療情報基本法の検討等も不可欠ではないでしょうか。④の国際展開への対応については、メンテナンス対応・現地医療情報収集の為にも企業として、業界としての「センター設置」構想も一考に値すると思います。

    <本稿を締め括(くく)るにあたって>
     この他、対中国政策の対応など、企業としても団体としても取り上げていけば、とても紙面が足りません。しかし、ここで思う事は1つ。ここ当分は「多様化(Diversity)」の時代が続く事ではないでしょうか。「分断」をいきなり「団結・結束」にもっていこうとしてもそれは無理で、お互いの考え・民族・宗教等を認め理解し合う「共生」イズムだと思います。

                                                                                                                           ― 以上 ―

 


年頭のご挨拶(2020年1月) 
新年のご挨拶(2019年1月) 
2018年度を迎えるにあたって(2018年4月)
新年のご挨拶(2018年1月)
医機連会長就任にあたって(2017年6月)
2017年度を迎えるにあたって
新年のご挨拶(2017年1月)
2016年度を迎えるにあたって
年頭所感(2016年1月)
2015年度(平成27年度)を迎えるにあたって
年頭所感(2015年1月)
年頭所感(2014年1月)