新年のごあいさつ

 

一般社団法人日本医療機器産業連合会
会長 渡部 眞也

  新年あけましておめでとうございます。本年も当連合会の活動にご支援、ご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

  2018年の干支は戊戌(つちのえいぬ)です。中国の陰陽五行では、戊も戌も変化を意味し、二つが重なることで大きな変化となります。過去を振り返っても、1898年は大隈内閣が成立し、それまでの藩閥政治から政党内閣に移行していきました。1958年には岩戸景気が始まり、高度成長期がスタートしました。また、戊は草木が生い茂ること、戌は草木が枯れることより、生い茂った木を剪定しながら大きくするという事になります。すなわち、成長の機運はあり、しがらみに捉われない新陳代謝が新たな時代をつくっていく年になると私は解釈しています。
 
  日本経済は、低金利と安定した円相場が追い風となり、景気拡大局面が6年目を迎え企業収益は好調に推移しています。人手が足りないほどの雇用環境にあります。一方、我が国の平均寿命は男女ともに80歳を超え、さらに2025年には団塊世代がすべて75歳を迎えるなど、人類が初めて経験する超高齢社会となっていきます。今後、より地域に密着した医療、介護を提供する地域包括ケアシステムや、健康寿命の延伸により一人ひとりが生涯現役として輝ける社会の実現が重要になってきます。

  2017年を振り返ると、こうした新たな社会や医療の実現に向け医機連は様々な活動を行ってきました。例えば、10月の「薬事規制当局サミットシンポジウム」では、世界30カ国の規制当局トップに対し革新的医療機器を早期に患者に届けるための規制の在り方や規制の国際整合の重要性について産業界の立場で提案をしました。「医療製品識別とトレーサビリティ推進協議会」ではUDI等についての議論を事務局として推進しました。さらに、人材育成については「ジャパン・バイオデザインプログラム」に引き続き協力してきました。こうした取り組みに、ご尽力やご支援を頂いた皆様にあらためてお礼を申し上げます。

 医機連は、2017年6月より「Society5.0を支える医療機器産業をめざす」という方針を掲げています。これには3つの視点があります。第1は、地域包括ケアシステムなどの新たな医療の要請に応え、より良い医療の実現に貢献していくことです。例えば、様々なイノベーションによって、新たな診断方法や治療方法の創出、全国どこでも最先端の医療を受けられる環境の整備、医療介護従事者の働き方改革の推進などです。また、医療機器販売業による適正使用支援業務など、医療現場を支える地道な活動も重要です。第2は、高齢化が進む中で持続的な社会保障システムの構築に貢献をしていくことです。データヘルスやICTの利活用により、医療の効率向上がいっそう進む事を期待しています。第3は医療機器産業の成長です。日本の医療機器市場は、約2.8兆円と世界市場約40兆円に比べ小さく、輸入超過と、まだまだプレゼンスが低い状況です。一方で、医療機器産業には日本をリードする成長産業としての期待があります。特に、デジタル革命はチャンスであると捉えています。

 この方針のもと、引き続き3つのテーマを重点に活動を進めていきます。

1.成長産業としての基盤整備

 これまで、技術イノベーションの継続、産業の裾野拡大、医工連携、人材育成、知財、業界安全性ガイドライン、規格などを進めています。2018年は、さらに、デジタル技術などの新たなイノベーションの加速、エコシステム強化、アジアなどへのグローバル展開支援などに取組んでいきます。また、昨年11月の第12回未来投資会議で生産性革命の実現が日本全体の課題として取上げられましたが、医療機器産業においても流通、中小企業を含め業界としての生産性向上につながる様々な活動に注力していきます。

2.政策提言とステークホルダーとの連携促進

 健康・医療や介護の改革の進展に寄与する政策提言を引き続き行うとともに、医療現場、アカデミア、地域、関連産業など多くのステークホルダーとの連携強化、国民やマスコミの方々への周知活動を進めていきます。特に、昨年12月より「我が国医療機器のイノベーションの加速化に関する研究会」(経済産業省)がスタートし、また「医療機器基本計画」(厚生労働省)の閣議決定から1年あまりを経て、医療機器を取り巻く環境はめまぐるしく変貌しています。このような環境の中、医療機器産業の将来像を力強く方向付けていきます。

3.信頼される産業団体

 医療の安全安心への貢献は最優先であり、個人情報保護法、競争法などを遵守し、社会から信頼される産業であり続けることが重要です。最近では、環境への配慮、サイバーセキュリティ対応なども新たなテーマです。特に、2018年度は、臨床研究法のスムーズな運用開始への協力に注力していきます。

 医機連は、「優れた医療機器・医療技術の開発と供給を通じて、医療の進歩と医療機器産業の発展に貢献する」というビジョンを基本に、連合会としてのトータルパワーを集結し、また正会員21団体のそれぞれの活動を支援し、医療の進歩と医療機器産業の健全な発展に取組んでいきます。

 


医機連会長就任にあたって(2017年6月)
2017年度を迎えるにあたって
新年のご挨拶(2017年1月)
2016年度を迎えるにあたって
年頭所感(2016年1月)
2015年度(平成27年度)を迎えるにあたって
年頭所感(2015年1月)
年頭所感(2014年1月)
就任あいさつ