2018年度を迎えるにあたって

 

一般社団法人日本医療機器産業連合会
会長 渡部 眞也

  2018年度を迎えて、健康医療をとりまく環境は急速に変化し、進化を遂げています。いわゆる団塊の世代が75歳以上になる2025年以降を見据え、質が高く効率的な医療提供体制を構築していくために、6年に1度の診療報酬と介護報酬の同時改定が行われました。今後、地域包括ケアシステムの構築、医療と介護の連携強化や急性期から回復期、慢性期、在宅医療までの医療機能の分化・連携の推進、またICTの活用も含め、現場の負担軽減にもつながる、効率的な医療・介護の提供の推進などにさらに注力していくことになります。

 医療機器産業の分野においては、デジタルヘルスの進展や技術イノベーションは目覚しいものがあります。特にデータ活用の世界では、AI(人工知能)やゲノム解析など、次世代型の医療にシフトする動きが活発化しています。他にも遠隔診療を目的としたオンライン診断によって、今後は、日本のどこにいても質の高い医療が受けられるようになっていきます。

 また、医療機器産業における生産性革命を興すべく、UDIの活用を通じてサプライチェーンマネジメントの次世代化を推進致します。さらに、41日より施行されている臨床研究法について、業界としてもスムーズな運用につながるよう医機連としての啓発活動を強化してまいります。

 行政においては、日本の医療機器産業の競争力強化とイノベーションの活性化を目的とした「我が国医療機器のイノベーションの加速化に関する研究会」が経済産業省によって主催され、多くの有識者が参加し、活発な議論の末、報告書として纏められました。「世界の健康・医療に貢献するために」目指すべき姿として、「グローバルに戦える日系企業の創出」と「日本発イノベーションの活性化」が必要だということが骨子になっています。

 こうした中、医機連は変化に対応すべく、進めてまいります。具体的にはデータヘルスやICTの利活用による次世代型の医療の提供、人材育成を含むイノベーション基盤の強化、サプライチェーンの次世代化、日本発の高い技術力のグローバル展開などを中心とした取り組みについて方向性を示していきます。

 2018年度の医機連の運営方針については、年始に申し上げたとおり、引き続き3つのテーマを重点に活動してまいります。

1.成長産業としての基盤整備

 ・技術イノベーションの継続−デジタル技術などの新たなイノベーションの加速−
 ・イノベーション人材の育成
 ・アジアなどへのグローバル展開支援
 ・エコシステムの強化
 ・医療機器流通、中小企業を含めた業界としての生産性向上
 ・医工連携

2.政策提言とステークホルダーとの連携促進

 ・承認・認証制度の合理的な運用「薬機法の施行後5年を目途とした検討」の推進
 ・AIなどの新技術を医療現場に届けるための規制の在り方についてグローバル視点での議論
 ・診療報酬改定
 ・費用対効果評価の制度化に向けた議論
 ・医療現場・アカデミア・地域・関連産業との連携強化

3.信頼される産業団体

 ・医療の安心安全への貢献
 ・コンプライアンスの徹底
 ・臨床研究法・次世代医療基盤法のスムーズな運用開始への協力
 ・環境への配慮
 ・サイバーセキュリティ対応

 最後に、医機連としては5年ぶりに医機連産業ビジョンの策定作業を始めました。社会課題解決型の視点で医療機器産業の将来像を力強く方向付けるものとなるよう、「Society 5.0を支える医療機器産業」を目指してまいります。

 


新年のご挨拶(2018年1月)
医機連会長就任にあたって(2017年6月)
2017年度を迎えるにあたって
新年のご挨拶(2017年1月)
2016年度を迎えるにあたって
年頭所感(2016年1月)
2015年度(平成27年度)を迎えるにあたって
年頭所感(2015年1月)
年頭所感(2014年1月)
就任あいさつ