nakao2015

2016年度を迎えるにあたって(平成28年4月1日)

一般社団法人日本医療機器産業連合会
会長 中尾 浩治

 

年頭所感において重要課題と今後の取り組みを申し上げましたが、2016年度は、引き続きそれらに取り組んで参ります。

 

1.医療保険制度改革への対応

① 毎年改定に反対
28万品にのぼる特定保険医療材料は短期間で実勢価格調査を行うことが難しいこと、調査精度が問題になること、販売業者にとって大きな負荷となること、毎年の価格引き下げは投資インセンティブの阻害となるなどから毎年改定に継続して反対する。

② 消費増税時の価格改定は増税分に見合ったものとする
本年4月の診療報酬改定に続き、2017年4月には消費税増税に伴う価格改定が予定されている。この改定は増税分に見合ったものとし、具体的には平成元年のように償還価格に一定の割合を乗じるなどの策を講ずることを求める。加えて、実勢価格調査を実施しないことを求める。

③ 外国価格参照制度の廃止
厚生労働省資料によると内外価格差については、すでに平均値が外国価格の0.8となっている。すでにこの制度の意味が限界にきており、同制度の廃止を求める。加えて、症例数が分散している日本の医療事情や、地震のある日本の医療ライフライン確保における流通の役割といった特有の事情を踏まえた償還価格制度のあり方を求めていく。

④ 機能区分の細部化推進
イノベーションの適切な評価をさらに推進すべく、特定保険医療材料価格制度における「機能区分の細分化」を促進することを求めていく。

⑤ 医療機器の特性を踏まえた診療報酬を求む
在宅医療機器への適切な評価、保守管理や診断精度向上への貢献といった医療機器の特性を踏まえた診療報酬について要望していく。

⑥ 費用対効果の評価導入について慎重な検討を求む
医薬品のようなQALYが機器には適用できないこと、機器の使用者のスキルの要素を考慮せざるを得ないこと、改良のサイクルが短いなどの医療機器の特性を踏まえ、制度設計を慎重に検討するように求めていく。さらに保険収載の遅延を起こさないようにすることや、評価データベース構築、人材育成などで業界に過度な負担がないよう配慮を求めていく。

2.医薬品医療機器法の運用への対応

医薬品医療機器法の施行2年目を迎える本年は、法と運用について業界内で引き続き周知徹底を図るとともに、「一変不要範囲の拡大」も含めた運用面での課題についても行政と連携して早期解決を図る。

3.諸外国の規制への対応

ブラジル、インド、台湾、ロシア、中国などに対し、厚生労働省、PMDA、関係省庁と連携して規制の緩和、簡略化、その他の問題などへの対応を進めているが、本年も引き続き継続すると同時に、アジアを中心に日本の規制に対する理解を進める。

4.コンプライアンスの徹底

より高い倫理観と高い事業活動の透明性・公正性が求められており、「透明性ガイドラインに係る実務指針」及び「競争法コンプライアンス規程」について引き続き、当連合会正会員19団体に対して遵守の徹底を図る。

5.医療機器イノベーション人材の育成

昨年十月より大学講座(東北大、東大、阪大)が開始されたが、それに加え、発足させた「ジャパンバイオデザイン協会」が実施する「フェローコース」、「クラス」および「ワークショップ」の受講を通し企業人材を育成する。また、産業界からの講師派遣および運営資金等の支援を継続して実施する。

6.UDI利活用の推進

骨太の方針2015では、医療機器の「流通の改善に取り組む」との方針が明記された。業界としてはUDIの利活用を通じて、製造販売から医療現場までの流通の効率化、トレーサビリティーの確立、医療安全の向上に努めるべく行政と連携して具体的に推進する。なお、米国のFDAは既に法規制として実施しているが、欧州でも2016年に「医療機器UDI指令」が発令される見込み。

7.医療ICTの推進

遠隔医療、在宅医療、医療情報の利活用に向けたルール整備、規制緩和、診療報酬のスキームについて検討していく。

8.広報活動の活性化

医療機器は既に医療に欠かせないテクノロジーにも関わらず、具体的な価値は、一般の皆様に十分理解されているとは言い難い。議員、行政、マスコミの方々をはじめ一般への広報活動を企画する。


引き続き、皆様方のご指導、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 



年頭所感(平成28年1月4日)
平成27年度を迎えるにあたって
年頭所感(平成27年1月5日)
年頭所感(平成26年1月6日)
就任あいさつ