2019年度を迎えるにあたって

 

一般社団法人日本医療機器産業連合会
会長 渡部 眞也

  2019年度を迎えて、健康医療をとりまく環境は一段と急速に変化し、進化を遂げています。内閣総理大臣を議長とする「人生100 年時代構想会議」では、人生100 年時代を見据えた高齢者雇用の促進が掲げられ、意欲ある高齢者に働く場を準備することは国家的課題とされています。

 また、昨年7月に公布された「働き方改革推進法」において「仕事と病気の治療との両立」が掲げられ、医療技術の進歩によりこれまで予後不良だった疾患の生存率が向上していること等を背景に、治療をしながら仕事の継続を希望する従業員のニーズが高くなっています。こうした社会課題解決のために、医療分野における成果を国民が享受できることが求められています。

 一方、厚生労働省からは「2040年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現」が未来投資会議で示されました。団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年には、高齢化以上に現役世代の減少が最大の課題として捉えられています。また、経済産業省と厚生労働省が協働で検討してきた未来イノベーションWGでは、2040年の国民生活において、IoT、AI、ロボット等が浸透した社会システムの未来像を描き、その中での医療及び介護に必要な技術やサービスを抽出し、さらに施策について報告書として纏められました。

 医療機器産業に目を移すと、次世代医療の鍵となるAI(人工知能)やゲノム解析など、技術イノベーションが進展しています。またこれらの中心に位置付けられるデータの利活用においては、基盤となるデータの集積・活用について官民で様々な議論がなされています。

 医機連では、官民対話や定期意見交換会の他、様々な研究会やWGに広く参画し、行政に対し提言を行っています。また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」という。)が取り纏める「医療機器開発の重点化に関する検討委員会」及び、そのWGにも参画し、重点化すべき分野や医療におけるデータ利活用のめざすべき姿など産業界からの視点で積極的に提言を行ってきました。

 さらにデータの利活用を推進する上で極めて重要になってくるのがサイバーセキュリティ対応です。医療機関や情報機関なども個別に取り組みを進めていますが、官民が連携して加速的に取り組んでいく必要があると考えています。医機連としては、例えばAMEDの「医療機関における医療機器のサイバーセキュリティに係る課題抽出等に関する研究」に参画するなど、具体的に活動を推進してまいります。

 こうした取り組みは、昨年5年振りに策定した「医機連産業ビジョン」で掲げた6つの重点テーマの1つである「データ利活用とサイバーセキュリティ強化の推進」にあたりますが、これらのテーマをよりしっかりと推進していくため、「医機連みらい戦略会議」を設置し、本年4月より活動を開始します。

 2019年度の医機連の運営方針については、重点テーマの推進をはじめとした3つのテーマを掲げ活動してまいります。

 

1医療機器産業ビジョンの実現に向けた活動

 ・「Society5.0を支える医療機器産業をめざす」ため、6つの重点テーマを推進

   ○ イノベーションの加速に向けた環境の整備

   ○ 医療機器の安全管理・安定供給・安定稼動・トレーサビリティの強化

   ○ データ利活用とサイバーセキュリティ強化の推進

   ○ 日本発の医療機器・技術のグローバル化を通じた医療機器産業の発展

   ○ 診断・治療に加え、予防・介護分野へのニーズ拡大への対応

   ○ 医療機器産業を支える人材の育成・獲得

 ・上記重点テーマを実行するため、「医機連みらい戦略会議」での活動を開始

2.政策提言とステークホルダーとの連携促進

 ・一企業/団体では取り組むことが困難な課題に対し様々なステークホルダーとの連携による課題解決の推進

 ・厚生労働省/PMDAとの「新協働計画」推進

 ・UDIの実用化に向けた継続参画

3.信頼される産業団体

 ・「日本における倫理的連携のためのコンセンサス・フレームワーク」(2018年7月設立)に沿った取り組み

 ・「臨床研究法を踏まえた透明性ガイドラインの見直し」(2019年4月施行予定)

 
 医機連として、会員の皆さんと引き続き密に連携しながら、革新的な医療機器をいち早く国民の皆さんに届けることで、年齢を重ねても、治療を継続しながらでも、多様な働き方を選ぶことのできる社会の実現に貢献できるよう、活動を推進してまいります。

 


新年のご挨拶(2019年1月) 
2018年度を迎えるにあたって(2018年4月)
新年のご挨拶(2018年1月)
医機連会長就任にあたって(2017年6月)
2017年度を迎えるにあたって
新年のご挨拶(2017年1月)
2016年度を迎えるにあたって
年頭所感(2016年1月)
2015年度(平成27年度)を迎えるにあたって
年頭所感(2015年1月)
年頭所感(2014年1月)
就任あいさつ