私たちの暮らしと医療機器 日本医療機器産業連合会スペシャルコンテンツ
第1回 PAGE1
からだの中の画像を見る!−医療画像診断機器
2005年9月21日掲載 

「からだの中の画像を見る」と聞いて、メスで切り開いてカメラで撮影?とドキッとしました。そうではなくて、健康診断や病気の検査で行うX線でのレントゲン写真撮影やMRI検査、おなかの中の赤ちゃんの様子が見られる超音波診断装置のように、からだの外側から内部の様子を観察したり写真に撮ったりすることができる医療機器のことなんですね。

しかし、どうしてからだの内部の画像を撮ることができるのか、そのことがどのように医療に貢献しているのか、いろいろ知りたくて、社団法人日本画像医療システム工業会の事務局の方にお聞きしました。

いき・れん君の画像

←INDEX 1 2 3

手探りだった100年前の診断と治療

レントゲンの発見の説明画像

――「医療画像診断機器」は、からだの内部を画像として見ることのできる機器だと聞きました。

はい、その中のひとつ「X線診断装置」は、皆さんにとって一番身近な機器だと思います。健康診断では胸部(肺)と胃のレントゲン写真を撮りますよね。

X線は、今から100年以上も前に物を透過する物質の存在をレントゲン博士が発見し、医療に応用されたものです。X線により発光する蛍光板がつくられ、からだを透過したX線をそこに当てることでからだの内部を「目に見えるかたち」にしたのです。

それまではメスで切開しないとからだの内部を見ることはできませんでしたので、患者さんからの訴えや様子を手がかりに治療するという「手探りの治療」でした。X線の発見により医学は大きく進歩しました。

――「レントゲン」というのは、X線を発見したウイルヘルム・コンラッド・レントゲン博士の名前から名づけられたのですか。

そうです。日本では、レントゲン博士のX線発見の翌年の1896(明治29)年には島津源蔵博士がX線撮影に成功しています。その後、日本ではX線管の製造が行われ、現在のX線診断装置が開発製造されるようになりました。このように機械の国内製造が始まり、日本における「画像診断機器」の歴史が始まったのです。


↑ページトップ
日本で生まれた「胃レントゲン撮影方法」

激減した死亡率

その後、もっと鮮明な画像は撮れないか、からだの中の臓器の動きが見えないかなどの課題に取り組み、X線撮影の技術革新がどんどん進み、レントゲンは検査や治療で大活躍するようになりました。

戦後の日本は消化器系の疾患が多く、「食道や胃の状態を、切開する前に把握できたら…」という要望がとても大きかったのです。今までのレントゲン検査に加え、さらに空気とバリウムを利用した胃二重造影撮影法が誕生し、胃の表面の細かな様子が撮影できるようになりました。このため胃がんや胃かいようなどの早期発見が進み、消化器系の疾患による死亡率が激減しました。

1950年代には食道や胃の形状を撮影する「遠隔式X線テレビ装置」も開発されました。これは毎日検査するお医者さんや技師さんたちが被ばくしないように、別の部屋から装置を操作できるものです。この装置は日本が生み出したのですよ。

――なるほど。胃の検査のときに発泡剤を飲まされてゲップを我慢するのはより良い画像を得るためで、的確な診断ができるようにということなのですね。しかし「バリウム」を飲むのはちょっと…。

乳がんの早期発見の効果試算例そうですね。バリウムに関しても「より飲みやすいバリウム」をつくるためにいろいろな研究や開発が行われています。胃のレントゲン検査用透視撮影台が誕生した頃は、今の何倍もの量のバリウムを飲まなければいけなかったことを考えると、ずい分進歩しているのですよ。「より患者さんの負担が少ない機器づくり」も、私たちの課題のひとつです。

――その他に、どんなレントゲン撮影装置がありますか?

最近では乳がんの発見のために「マンモグラフィー」という機器が活躍しています。これは柔らかい組織用のX線診断装置で、乳房の状態を詳細に画像化することができます。この画像診断機器の普及で乳がんの早期診断・早期治療が進んでいます。ピンクリボン運動はご存知ですか?

 

*ピンクリボン運動とは

 アメリカでは乳がんの罹患率が8人に1人と高く、死亡率も高いことから、乳がん撲滅運動の一環として、アメリカでスタートしました。
  これらの運動により、アメリカやイギリスでは検診率の改善と乳がんによる死亡率の低下などの効果を上げています。
  ピンクリボンは、女性たちが乳がんについて日常から関心を持ち、不幸にも罹患してしまった人が乗り超えていくためのサポートを象徴したものです。
  日本でもピンクリボンをあしらった商品の売り上げの一部を研究団体への寄付金として活用するなど、ピンクリボン運動の重要性が高まってきています。


↑ページトップ

 ←INDEX 次のページへ→ |1|23

Copyright(C) The Japan Federation of Medical Devices Associations. All Rights Reserved.