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第2回 PAGE1
血管の内側から診断・治療する――血管カテーテル
2005年12月26日掲載 

昨今の医療現場において「血管カテーテル」の活躍で心疾患、脳疾患、肝臓がんなどの診断・治療方法が大きく変わったと聞きました。「カテーテル」とはいったい何のことでしょうか? また、そのカテーテルは血管の中で何を行うのでしょうか?
――ボクの疑問はどんどんふくらんでいきます。 

そこで「血管カテーテル」とはどのような医療機器で、どのように医療や医学に貢献しているのかなどについて、「血管カテーテル」を生産している企業の方にお聞きしました。

いき・れん君の画像

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血管を通して診断と治療を行う機器

血管が詰まることで起きる疾病―「カテーテル」って細い管のことですよね?

そうです。人間の身体の血管で、治療や検査の対象となるものは太いところで2〜3cm、細いところで1〜1.5mmですが、その血管の中にとても細い管を通して患部に薬を運んだり、細くなっている部分を広げたりするのです。その管を「血管カテーテル」と言います。

血管は私たちの身体じゅうに張り巡らされ、酸素や栄養素を血液に載せて隅々にまで運ぶ役割を持っています。この血管の内側が何らかの原因で細くなったり、詰まってしまうと、組織や細胞に酸素や栄養素が運ばれにくくなり、病気を引き起こしてしまうのです。

たとえば心臓の筋肉に酸素や栄養素を運ぶ血管(冠動脈)がふさがってしまうと、筋肉が壊死を起こして動かなくなり、心臓が正常に動かなくなります。

――心筋梗塞という病気ですね。

そうです。血管が詰まることで起こる病気にはいろいろあります。脳の血管が詰まると「脳梗塞」、心臓の血管が詰まると「心筋梗塞」という病気が発生します。特に心臓に流れる血液が乏しくなることによって起こる病気を総称して「虚血性心疾患」と呼びます。また、心臓の動きが不規則になる「不整脈」という病気もあります。

半身にしびれや感覚の麻痺が起こったり、意識障害が起きると「脳疾患、たとえば脳梗塞」、突然、心臓が締め付けられるような重苦しさや激しい痛み、冷や汗などが起こったら「虚血性心疾患」が疑われます。意識を失う場合は重篤なケースですので、迅速な治療が必要です。その診断と治療の両方で「血管カテーテル」が活躍しているのですよ。

たとえば、意識を失って倒れた方が救急車で運ばれてきたとします。脳梗塞や虚血性心疾患が疑われると、その患部を特定するために「血管カテーテル」で造影剤を血管内に注入し、X線装置もしくはX線CT装置で写真を撮ります。患部の状態を確認後医師は手術をするのか、血管カテーテルによる治療を行うのか判断するのです。血管カテーテルで治療を行うことになった場合は、ただちに血管内にカテーテルを入れ、詰まっている部分を取り除いたり、広げたりします。

――急を要する治療ですね。

そうです。脳や心臓に血液が届かない時間が長くなるほど、命は助かりにくくなり、また後遺症が大きく残ります。患者さんの命を救うためにどういう治療をすべきなのかを判断するために直ちに「血管カテーテル」で造影剤を注入し、的確に症状を把握することが必要です。日本では1980年代から急速に普及した機器ですが、「血管カテーテル」によってたくさんの命が救われるようになったのですよ。

――的確に患部の状態を把握すること、またその患部を治療すること、その両方で活躍する機器なのですね。


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診断のための機器から治療のための機器へ

――どなたがこんな治療法を考え出したのでしょうか?

1964年にアメリカのドッター教授が「血管カテーテル」を「治療」に利用する方法を発表したのが始まりと言われています。X線写真撮影が生まれ、血管に造影剤を注入することで血管の状態が的確にわかるようになり、脳血管障害による死亡率がぐんと下がりました。

しかし当初は、「血管カテーテル」は血管の造影のための機器で、患部を把握した後は外科的にその血管を切り開いて内部に沈着した血栓などを取り除いたり、別の血管をつないでバイパスをするなど手術による治療が中心でした。ドッター教授はその発想を大胆に転換し、「血管カテーテル」で血管の閉塞部を押し広げるという、「治療」のための機器へと変えたのです。

この治療方法を1977年に初めてひとの冠動脈に対して実施したのはスイスのチューリッヒ大学附属病院に勤務していたドイツ人のグルンツィッヒ先生でした。このように、血管カテーテルは放射線治療の分野から発展していったのですよ。

――もともとは、「血管の状態を見るための機器」だったのですね。


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