前に述べた新しい素材の開発だけでなく、レンズを作る技術の向上で、以前は難しかったデザインのレンズを生み出すことができました。それが乱視用のトーリックコンタクトレンズと老視(老目)用の遠近両用コンタクトレンズです。
――乱視用って、コンタクトレンズは乱視の矯正ができるのではないのですか?
従来、乱視の矯正ができるのは酸素透過性ハードCLで、ソフトCLは軽度の乱視しか矯正できませんでした。このため、ソフトCLで乱視用のトーリックコンタクトレンズが開発されたのです。
――遠近両用って、老視(老目)の人が使うものですね。
そうです。目は、遠くを見るときは水晶体が扁平になり、近くを見るときは膨らんで焦点を調節しています。しかし、年齢とともに、この調整力が衰え、近くのものに焦点を合わせづらくなります。これを「老視(老目)」と呼んでいます。近くも遠くもよく見えるようにするレンズが「遠近両用(バイフォーカル)CL」です。
遠く近くが見える仕組みとして、セグメントタイプは、レンズの上部が遠くを見る部分に下部が近くを見る部分に分かれており、レンズが回転しないようにレンズの下方を厚くして重くしたり、下方の周辺をカットして平たくすることにより、下目瞼で固定されやすい形状になっています。これは視線が正面を見たときに遠くを見る部分に、下方を見たときに近くを見る部分に丁度来るようにレンズを目に合わせる必要があります。
また、同時視タイプは、レンズ中心部の遠くを見る部分から、レンズ周辺部の近方を見る部分にかけて度数が連続的に変化しており、遠くから近くまで全部見えている中で、自分が見たい位置の像を選択して見る仕組みです。これも、視線とレンズの位置をうまく目に合わせる必要があります。どちらのタイプもレンズがうまく目に合わないと、遠く近くの像が見にくくなります。
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