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――20本を80歳まで残すのは難しいことなのですか?
そうなんですよ。高齢者になっても自分の歯で暮らすことは、人類にとって長い間の夢だったと言っていいくらいです。歯は主に「むし歯」と「歯周病」により失われます。「むし歯」は、歯そのものがむし歯菌にやられダメになってしまうことで、「歯周病」は歯そのものは健康なのに歯を支えている骨が後退して歯を支えきれなくなり歯が抜けてしまうものです。
――どうしてむし歯になるのでしょうか?
むし歯の原因は「むし歯菌」です。食べ物を食べると口の中が酸性になり細菌が増えて、プラークを作ります。その中のむし歯菌が酸を出し、歯の成分であるカルシウムなどを溶かし出してしまいます。食べ物を食べた後に歯磨きをすれば、中性に近づき、歯にとって優しい環境になります。しかし、ひっきりなしにおやつを食べ、さらに歯磨きもしないでいると、口腔内が酸性である状態が長く続くためむし歯になりやすくなるのですよ。

――むし歯菌は人間誰でも持っているものですか?
ほとんどの人が持っていますね。実は、生まれたとき赤ちゃんは、むし歯菌を持っていません。どうやら、成長の過程で口腔内にむし歯菌が入ってくるようですが、周囲の人から移るのでしょうね。お母さんの努力もあって、むし歯になる子どもは減っています。むし歯のために歯を抜く人は少なくなりました。
――では、歯を失う理由は主に「歯周病」なのでしょうか?
そうですね。気がつかないうちに進行するものですから、手遅れになる人が多いようです。歯周病もまた「歯周病菌」という菌が原因となっています。プラーク(歯垢)の中の歯周病菌が歯石を作り出し、歯ブラシでは取れないほど定着させてしまいます。歯周ポケットと呼ばれる隙間に歯石がどんどんたまっていくと、歯を支えている骨が後退していくのです。歯ぐきに隠されているため、見ただけでは骨が溶けていることに気付かず、歯がグラグラし始めてからあわてて歯科医院に駆け込む人が多いのですが、そうなってからは手遅れのケースもあるのですよ。
また、歯周病菌は糖尿病を引き起こしたり、血管内に入り込んで心筋梗塞を引き起こすなど、さまざまな疾患の原因となっています。
――怖い病気なんですね!
冷たいものがしみる、歯ぐきが腫れる、出血するなどの現象が起きたら、歯周病が進んでいるということです。すぐに歯科医院に行かれたほうがいいですよ。 |