――この健診には生化学自動分析装置が欠かせないと聞きました。
メタボ健診の、上の図の赤文字で書かれたGOT、GPTなどの8項目は、生化学自動分析装置で数値を計測しています。血液を遠心分離機にかけて、上澄みである「血清」を分離し、そこにさまざまな試薬を入れて反応させた後、色の変化を見て含有量を測定するのです。大きな装置では、メタボ健診の8項目だと、1時間に1,000人もの測定を行うことができます。
戦後しばらくまで、この作業は手作業で行っていたのですが、日本では1960年代に自動で分析する装置が開発され、短時間に多くの検査を行うことができるようになりました。
――色の変化を見るのですか?
そうです。血液は身体中を循環していますが、体内で異常が生じると、血液中の糖やたんぱく質、酵素などの濃度が変化します。たとえば、すい臓から分泌されるインスリンが不足したり働きが悪くなったりして、ブドウ糖を処理しきれなくなると、血液中の糖分が高くなり、血糖値が上がるのです。こうした成分の分析は、計測したい成分に反応する試薬を血清中に入れ、一定時間反応させた後に色の変化の度合いを見ることでその成分の量を測ることができます。
色の変化の度合いを「吸光度(きゅうこうど)」と呼ぶのですが、特定の物質が特定の波長の光を吸収する度合いを測るのです。「液体中の物質の濃度と吸光度は比例する」というランベルト・ベールの法則に基づいています。たとえばブドウ糖(グルコース)と反応して赤く発色する試薬を血清の中に入れると、含まれるブドウ糖の量だけ赤くなります。赤い色が薄いと量が少なく、濃いと量が多いのです。さまざまな指標を計測するための試薬があり、たとえばメタボ健診のために採取された血液は、8つの血清に小分けされて、それぞれの試薬を加えられ、それぞれの色の濃度の変化を測定しています。
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