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第11回 PAGE1
電気の力で本来の機能を取り戻す――低周波治療器
2009年1月7日掲載 

両方の肩にパッドを貼ってスイッチを入れると、筋肉がピクピクして肩こりが取れる治療器、ボクも持っています。気持ちいいんですよね〜。この機器は低周波の電気刺激を利用しているので「低周波治療器」と呼ばれるそうです。ボクが持っているような家庭用のものもあれば、整形外科やリハビリテーション室などに置かれている大型のものもあるとか。低周波の電気刺激がなぜ肩こりを治すのか、どのようなしくみなのか、日本理学療法機器工業会の方に伺いました。

いき・れん君の画像

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物理的な力を利用する「理学療法」

――友人が理学療法士を目指して勉強しています。病気やケガのために身体が不自由になった人の運動機能を回復するための専門家になると言っていました。

リハビリテーションの分野理学療法士は医師・看護師とチームを組んで医療にあたり、患者さんのQOL(生活の質)を高めることを目的としたリハビリテーションを行う仕事ですね。たとえば事故で足を骨折したとき、手術によって折れた骨をつないだ後その傷が癒えるまで足を動かさないでいると、「廃用性萎縮」という「使わなかったために筋肉や神経が機能を果たさなくなる現象」が起きてしまいます。リハビリテーションは廃用性萎縮を防ぐために有効で、右の図のような療法があります。

――ボクも、野球で足の靭帯を痛めたときは、整形外科でリハビリテーションをしました。リハビリテーションの方法にもいろいろあるのですね。

そうです。歩く、ぶら下がるなどの運動療法もあれば、水流を当てる水治療法、編み物をして指先の機能を取り戻すなどの作業療法もあります。その中でも物理的な力を利用する方法が「理学療法」です。「理学」とは「物理」のことです。その名の通り、重さを加える、引っ張る、電気刺激を与える、温めるなど物理的な力によって痛みを和らげたり、筋肉の力を取り戻したり、自然治癒力を促進したりする療法です。「低周波治療器」は「電気刺激療法」による医療機器の1つです。

 
理学療法の種類/理学療法の一例
 

リハビリテーションが医学の中に位置づけられて理学療法が普及し始めたのは、約50年ほど前の戦後のことで、戦争で傷ついた兵士の治療、急速に進む高齢化、1950年代に起こった小児麻痺の流行などが背景にありました。

――電気刺激が有効だということも、そのころ発見されたのですか?

いえいえ、それはずい分昔、ローマ時代には発見されていたのですよ。しびれエイなどが頭痛や通風の治療に使われ、電気を発する生物が身体にいいという「経験的な効果」は知られていました。しかし当時はそれが「電気」であることもわかっていませんでしたし、電気を起こす方法も知りませんでしたから、その恩恵にあずかる人は限られていたと思います。

中学か高校の理科の授業で、カエルの足の筋肉に電流を流すとピクピク動くという実験をしたことはありませんか? このように神経からの伝達が微弱な電流によって行われ、それにより筋肉が収縮していることが、18世紀末にイタリアの物理学者ガルバニによって発見されました。

――そういえば、心電図や脳波も電気の量や流れを測定したものですね。


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