| ――「在宅酸素療法」と聞くと、何となく「酸素ボンベを使うのかな?」と思います。
そうですね。外出の際には在宅酸素療法用携帯ボンベを使いますよ。けれども、ご家庭に設置する酸素濃縮装置はボンベではなく空気清浄機のような形で、室内の空気から高濃度の酸素を作り出すものです。「在宅酸素療法」は、肺の力が衰えて自分の力による呼吸だけでは十分な酸素を取り入れることができない方に、高濃度の酸素を鼻から送り込む療法です。
――あ、チューブを鼻につけている患者さん、テレビドラマで見たことがあります。
高濃度の酸素を吸入する機器は入院設備を持つ病院には必ずありますね。以前は、酸素吸入のためだけに入院されている方も多く、「家で酸素を吸入できれば、家族とも過ごせるし、もっといろんな活動ができる」という声が聞かれました。1985年に保険適用の対象となったので在宅でも酸素療法ができるようになり、多くの方が在宅酸素療法を始められました。今では約13万人の方が利用されています。
その約5割が慢性閉塞性肺疾患の方で、主に喫煙によって肺に慢性炎症が生じ、たんがからんだり、肺胞がつぶれてしまうことで、肺が十分に酸素を取り込めなくなる疾病です。高齢者に多いですね。
――タバコですか…。高齢者はこれから増えていきますから、在宅酸素療法を開始される方も増えるかもしれませんね。ところで、どうやって室内の空気から高濃度の酸素を作り出すのですか。
空気の約8割は窒素、約2割が酸素です。空気から窒素を取り除くと残っているのはほとんど酸素となり、約9割という高濃度の酸素を作り出すことができるのですよ。それにはいろいろな方法がありますが、よく利用されるのは「ゼオライト」という、圧力を加えると窒素を吸着する性質を持つ鉱物です。酸素濃縮装置の中にゼオライトを置き、圧力を加えて窒素を吸着させることで高濃度の酸素を作り出した後、窒素を排出して再び吸着できるようにします。もちろん、途中にフィルターを置いて、室内の細菌などを除去することも行っています。
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