透明性ガイドラインに関するよくあるご質問 – 一般社団法人 日本医療機器産業連合会

Q1: 透明性ガイドライン(以下ガイドライン)がなぜ必要なのですか?

A1: 医療機器に関する医学研究、開発、実用化やその後の改良など適正使用に不可欠な産学連携活動は医療機関・医療関係者等との契約等に基づき実施されています。その際に対価として金銭の支払いが発生する活動もあり、日本医療機器産業連合会(医機連)会員団体の会員企業(以下、会員企業)は、薬事法をはじめとする関連法規の遵守はもちろん、倫理綱領、企業行動憲章、医療機器業プロモーションコード、医療機器業公正競争規約等の業界自主基準に基づき、透明性を高めるように努めて参りました。しかし、これら連携活動が活発になるほど、医療機関・医療関係者等が特定の企業・製品に深く関与する機会が生じ、公正な判断に何らかの影響を及ぼしているという懸念をもたれる可能性が否定できません。
さらに、背景として、欧米などの海外や国内において透明性を高めることが求められ、日本製薬工業協会は「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」を公表し、医学会等では産学連携における利益相反に関する指針を出すなどの動向に合わせて、医機連では、その活動における透明性の確保が重要であることを踏まえて、本ガイドラインを策定することとしました。

Q2: ガイドラインの「医療機関等」とは何を指すのでしょうか?

A2: 「医療機関等」には、病院・診療所、大学医学部(付属病院)、医療関連学会・研究会、その他医療を行う機関及び医療機器に関する研究、開発、治験を行う機関、並びに医師、歯科医師、看護師、臨床検査技師その他医療に従事する者が含まれます。

Q3: 公開されるのはどのような費用ですか?

A3: 研究費開発費等(共同研究費、委託研究費、臨床試験費、製造販売後臨床試験費、不具合・感染症症例報告費、製造販売後調査費)、学術研究助成費(奨学寄附金、一般寄附金、学会寄附金、学会共催費)、原稿執筆料等(自社医療機器の適正使用等に関する情報提供のための講演や原稿執筆、コンサルティング等業務委託に関する費用)、情報提供関連費(医療関係者に対する自社医療機器の適正使用、安全使用の為に必要な講演会、模擬実技指導、説明会等の費用)、その他の費用(社会的儀礼としての接遇等の費用)を公開いたします。

Q4: 情報公開はどのように行われるのですか?

A4: 会員企業が、各社ホームページなどを通じて、前年度分の資金提供について公開します。

Q5: 公開方法が企業によって異なるのでしょうか?

A5: 会員企業は、医機連の透明性ガイドラインを参考に自社の「透明性に関する指針」を策定し公開します。会員企業における情報公開に向けた手続きや処理・対応等はそれぞれの会員企業によって異なることから、公開方法や公開時期等に多少の異同があることは、やむを得ないと考えています。但し、ガイドラインで示している公開内容等が異なることはありません。

Q6: いつから情報公開されるのですか?

A6: 平成25年度支払分(2013年度支払分)を平成26年度(2014年度)に公開し、以後同様に前年度分を公開します。

Q7: 費用によって公開される情報の細かさが異なるのはなぜですか?

A7: 公開の基本は企業毎、カテゴリー毎に資金提供の総額公開としました。しかしながら、近年国内外において取り組みが進みつつある利益相反マネージメントの趣旨も鑑み、特に利益相反に関連する項目としてカテゴリーB学術研究助成費およびC原稿執筆料等については出来る限り個別名称での公開をすることとしました。

Q8: ガイドラインには強制力や違反した場合の罰則はあるのですか?

A8: 強制力や罰則はありませんが、会員企業は医機連のガイドラインを参考に自社の「透明性に関する指針」を策定し公表していることから、ガイドラインを逸脱するような行為は無いと考えます。

Q9: 今回の公開内容が個人情報に該当することはありませんか?

A9: 個人情報に該当する公開項目があります。個人情報に限らず医療機関の名称を公開する場合は、事前に「公開に関する同意」をいただいております。

Q10: 医療機器を取り扱う企業が医療機関に金銭を支払うことにより、医療機関の活動や判断が歪むようなことはありませんか?

A10: 医療機器を取り扱う企業が医療機関に金銭を支払うことにより、医療関係者等の活動や判断が歪むようなことはあってはならないことですが、医療関係者等の判断に何らかの影響を及ぼしているのではないかとの懸念を持たれる可能性は否定できません。そうした懸念があればこそ、透明性ガイドラインによる情報公開により、医療機器を取り扱う企業と医療関係者等との利益相反状態を開示し、透明性・公正性・中立性を高める活動を担保しようと考えました。

Q11: 医機連以外でもこのようなガイドラインが実施されているのですか?

A11: 日本製薬工業協会は2012年度から、日本臨床検査薬協会、日本漢方生薬製剤協会、日本OTC医薬品協会、日本ジェネリック製薬協会などが2013年度から実施しております。

Q12: 海外ではこのようなガイドラインが実施されているのですか?

A12: 米国では、既に多くの州法で情報開示が義務付けられていましたが、2010年3月に成立した米国医療保険改革法により、企業が医師に対して提供する10ドル以上のあらゆる対価の移動が政府への報告対象となり、政府はこれを一般公開することになりました。また、欧州製薬団体連合会(欧州各国の製薬業界団体等で構成)は共通の指針に基づき、2015年度の支払情報を2016年度に公開することを予定しています。

Q13: 研究費開発費等はどのようなものですか?

A13: 大学等アカデミアとの共同研究にかかる経費や医療機関等に対して臨床試験や製造販売後調査を委託する際に発生する経費です。共同研究、委託研究、臨床試験等は医療機器GCP省令などの厳格な公的規制のもとで行われており、その医学的評価はその専門領域の研究機関・医療関係者により中立的・公平に行われています。また、製造販売後調査、不具合・感染症症例報告等は医療機器を製造販売する企業の義務であり、かつ医療機器GPSP省令、GVP省令などの厳しい公的規制のもとに医療機関等の協力を得て実施されています。
(注)
【GCP】医療機器の臨床試験の実施に関する基準(Good Clinical Practice)
【GPSP】医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施に関する基準(Good Post-marketing Surveillance Practice)
【GVP】医薬品、部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理基準(Good Vigilance Practice)

Q14: 寄附金は何に使われているのですか?

A14: 寄附金には、奨学寄附金、一般寄附金、学会寄附金などがあり、医学研究、開発、実用化やその後の改良など医療機器の適正使用に関する研究活動支援や知識の普及等のために使われています。

Q15: 奨学寄附金とはどのようなものですか?

A15: 学術研究の振興および研究助成を目的として行われる寄附金のうち、大学をはじめとする研究機関に対する教育・研究等の奨学を目的とした寄附金が奨学寄附金です。

Q16: 学会寄附金とはどのようなものですか?

A16: 学会寄附金は医学・医療工学の学術研究の振興を目的に、学会等の会合開催をはじめとする活動費用の支援として行われるものです。

Q17: 講師謝金、原稿執筆料・監修料、コンサルティング等業務委託費とはどのようなものですか?

A17: 会員企業は、特定領域の専門家と契約し、企業が行う医療機器開発や、市販後の情報提供を計画する際に、専門的な見地からのアドバイスを頂く事があります。これらの活動における専門家の選定基準や対価の支払いは医療機器業公正取引協議会が定める「医療機器業公正競争規約」等の業界自主基準のもとに会員各社がより具体的なルールを定めて実施しています。

Q18: 講演会費とはどのようなものですか?

A18: 会員企業は企業主催や医療団体等との共催の形で学術講演会等を開催し、医療関係者に対して自社医療機器の適正使用に関する情報をはじめ医学・医療工学に関する科学的な情報を提供しています。医療機器は厳格な承認審査により品質、有効性、安全性の確認を経て承認・発売されますが、発売後の実際の診療における使用経験の共有は、患者さんの最適な治療の実現にとって極めて重要であり、これらの情報が適切に継続的に共有される場として学術講演会等が重要となっています。この学術講演会等にかかる会場費や講演者の旅費等が講演会費として公開されます。なお、かかる費用の支払については業界自主基準である「医療機器業プロモーションコード」と「医療機器業公正競争規約」により規定されています。

Q19: 「その他の費用」とはどのようなものですか?

A19: 社会的儀礼行為としての接遇等の費用として、食事、ギフト(中元歳暮等)、葬儀における香典や供花等が含まれます。これらは医療機器の取引に不当な影響を与えることが無いよう、業界自主基準である「医療機器業プロモーションコード」と「医療機器業公正競争規約」に則って適正な範囲内で実施されています。