――今は同時に複数の人が見ることができるのですか?
そうです。実際に内視鏡検査を受けた方はモニターに映ったご自身の食道や胃の内壁の様子をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?1980年代に登場した「ビデオスコープ」は、レンズがとらえた画像を直接見るのではなく、一旦CCDにより電気信号に変えて、その信号を外の機械に送り出し、画像信号に変換をしてモニターに映すため、複数の医師や医療従事者が同時に見ることができるのです。また画像処理により撮像対象の先鋭度を高めたり、拡大することもできるようになり、肉眼では見えにくい部分の観察が可能になりました。そのことで病変部分の見落とし減少、診断の精度向上に貢献しています。
デジタルカメラのCCDは約10年くらいの間に数十万画素から800万画素以上へと高解像度化しましたね。内視鏡もCCDや画像処理の技術の発展に伴い、飛躍的に高画質化しています。モニターの走査線を大幅に増やし、高画質CCDと組み合わせて高精細な画像を描き出す「ハイビジョン内視鏡」も生まれ、従来の方式ではとらえることが困難だった微細な粘膜構造の変化を映し出すこともできるようになりました。本当の生体の色を忠実にモニターで再現するための技術開発に一番力を注いでいるのです。
|