会長挨拶Message

新年度のご挨拶
一般社団法人
日本医療機器産業連合会
会長山本 章雄
新年度を迎え、一言ご挨拶申し上げます。
2026年度は世界が激動の様相を呈しています。米国ではトランプ政権の関税政策が再び大きな影響力を持ちはじめ、国際的な貿易環境に不確実性が高まっています。さらに、中東情勢においてはイラン攻撃を巡る緊張が各国経済に波及するなど、地政学的リスクは一段と増大しています。国内においては、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の方向性が本年度から具体化し、我が国の経済運営にも新たな局面が訪れようとしています。こうした中、エネルギー・物流・為替を含む国際環境は、これまで以上に変動の幅が大きくなり、産業界全体が先行きへの的確な備えを求められる年となっています。
このような政治・経済環境の大きな転換点に位置する2026年度は、医療分野においても極めて重要な節目となります。本年の診療報酬改定は、人件費や物価の上昇を背景に、医療の質の確保と持続可能性をいかに両立させるかが問われるものとなりました。医療機器産業においても、安定供給とイノベーションの双方を実現する取り組みが、これまで以上に求められています。
また、本年度は「第2期医療機器基本計画」の最終年度にあたり、2027年度から始まる「第3期医療機器基本計画」の策定に向けた準備が本格化する一年です。第3期に向けては、これまでの成果を総括しつつ、新たな医療機器産業の将来像を見据えた基盤づくりが求められています。特に、デジタル技術・AIの活用、スタートアップとの協業促進などの新たな潮流は、第3期基本計画の方向性を形づくる重要なテーマとなるでしょう。
さらに、政府が掲げる成長戦略における「創薬・先端医療」分野において、医療機器の役割はますます大きくなっています。画像診断機器や手術支援技術、在宅医療向け機器、ICT・AIを活用した医療情報基盤等、医療機器が支える領域は拡大を続けています。医療機器産業は、安全で質の高い医療の提供に不可欠な社会インフラであると同時に、我が国の成長を牽引する重要な産業であり、その責務と可能性は一層明確になってきています。
医機連としては、2024年に更新した産業ビジョンを基盤に、「イノベーション環境の整備」「安定供給の強化」「国際展開」「地球環境との調和」「人材育成」などの重点課題を、今年度はさらに実行段階へと深化させてまいります。また、行政・医療現場・アカデミアとの連携を一層強化し、産業界の視点を第3期基本計画に的確に反映させるべく、課題整理と提言の取りまとめに取り組んでまいります。
本年度も、関係者の皆さまとともに、安心・安全で持続可能な医療機器産業の確立に向けて、着実に歩みを進めてまいります。
