会長挨拶Message

会長就任のご挨拶

一般社団法人
日本医療機器産業連合会

会長三村  孝仁

 この度、医機連の会長を拝命いたしました三村と申します。新型コロナウイルス感染症の収束が一向に見通せない状況下での重責に、大変身が引き締まる思いでおります。関係各位のご支援、ご協力を賜り、責務を果たして参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 さて我々医機連は、昨年1月以降、「医療を止めない」とういう強い信念のもと、業界一丸となりコロナに立ち向かい、必要な医療機器・資材の確保に全力を尽くして参りました。今回のパンデミックは、医療が国の安全保障上極めて重要であることを知らしめるとともに、我々医療機器に関わる企業の存在意義を再定義してくれました。これまでのコロナとの戦いを通じて「医療の安全保障は国だけでは守れない、しかし、企業だけでも守れない」ことが明確になりました。国として必要な医療機器・資材のサプライチェーン強靭化を進めるには、供給先を多元化するとともに必要な主製品は一定数量の在庫を持つことが必要です。何れの対策も企業だけで実現できるものではありません。国を跨いだサプライチェーンの見直しや必要物資の備蓄等、官民一体で取り組んで行けるよう、政府へも積極的に提案を行なって参ります。

 もう一つ我々に課せられた大きな課題は脱炭素です。国として2050年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標が示されましたが、脱炭素への対応は我々医療業界も避けては通れません。特にCO2排出が大きな化石燃料に頼った電力を使わざるを得ない日本においては、国の目標をクリアすることは容易なことではありません。医療の安全保障を確保するために国が進める生産の国内回帰と、脱炭素はある意味相反する取り組みであり、今後、難しい経営の舵取りを強いられるものと思います。

 一方、コロナがもたらしてくれた唯一の明るい材料は、我々に「変化の必要性」を気づかせてくれたことです。昨今のヘルスケア分野におけるデジタル技術の拡大は、明らかにコロナが原動力となっています。医機連では、2019年に「みらい戦略会議」を立ち上げ、医療データの利活用の検討やサイバーセキュリティへの対応、AIホスピタルプロジェクトへの参画など、デジタルヘルスへの取り組みを進めて参りました。さらに、プログラム医療機器の法規制や診療報酬について議論を深め、政府への提言などを担っていく新しい組織も立ち上がります。このような体制を整備することで、デジタル領域への参入が目覚ましい異分野企業やベンチャーにも医機連への参加を促すとともに、既存の医療機器メーカーとの間で化学反応を起こし、新たなイノベーションが生まれることを期待しています。

 あと一つ大事なことはコンプライアンスの遵守です。我々は人の命に係わる製品を扱っていることから、何よりも高い倫理観が求められます。これまでも医機連では企業倫理に関する講習会や新入社員向けセミナーなど、会員への周知を行なって来ましたが、より一層のコンプライアンスの徹底と再発防止に取り組んで参ります。